トップインタビュートップインタビュー

株式会社日清製粉ウェルナへ、社員の想いを背負って生まれ変わる

2022年1月1日、長い間想い描いていた新会社、「日清製粉ウェルナ」を誕生させました。日清フーズ設立以来の60年間で、初めて国内外の社名とコーポレートブランドを統一しました。私たちのこれからの足跡は、この新会社に価値・評価として蓄積され、5年後、10年後に当社に対する消費者の認知度となって現れます。そこで、社名「Welna」を当社のファミリーブランド「マ・マー」「日清」「青の洞窟」を超えるブランドとして独り立ちさせ、消費者のみなさんに認知される会社にしていくことを第一優先で社業を運営しています。

トップインタビュー_1

多様な食シーンを想定した提案を

私たち日清製粉ウェルナは小麦粉に代表される素材から加工食品、冷凍食品まで、「常温」「冷凍」の温度帯を問わず幅広い製品を食卓に提案し続ける総合食品メーカーです。「日清」や「マ・マー」、「青の洞窟」などの主要ブランド製品の大半がトップシェアを誇っており、日清製粉グループの中核を担う事業を展開していると自負しています。消費者の方々に近い企業として、内食だけではなく外食シーンへも製品を展開しており、あらゆる食シーンに対応できる製品を提案し続けています。

トップインタビュー_2

私たちの企業経営方針とは

私たちは「信を万事の本と為す」と「時代への適合」の社是を前提に、「消費者の健康で豊かな生活づくりへの貢献」を推進しています。その中で現在、日清製粉グループとして長期ビジョン「NNI“Compass for the Future”」に取り組んでおり、更に当社は「Prime Meal Investigator.(食の求道者)」に進化することをビジョンに掲げ、3つの中・長期戦略「事業構造の転換」「価値の創造」「海外展開の深耕」を推し進めています。この内の「事業構造の転換」とは、看板の常温家庭用事業の維持・拡大をベースに冷凍事業・業務用事業への転換を図るものです。

トップインタビュー_3

コロナ禍により見直しが進んだ冷凍事業、大きな飛躍につなげる

まず、冷凍事業における課題は「パスタ以外の製品」の本格的な製品化と拡販です。これまでも進めてきましたが、ウェルナ元年より本腰を入れ、第2の柱へと育て上げます。目指すところはアイテム数・売上の倍増です。具体的施策として2つ挙げておきます。1つ目は、OEM(委託生産)による製品の開発・育成。2つ目は、将来に渡り当社と取り組み、ともに歩んでいただく企業を選定し、その企業との連携のもと人口減少の中にあっても売上・利益の維持・拡大を図ることです。

環境が変わる今に攻勢をかける、業務用事業

次に、業務用事業。緊急事態宣言の解除以降、回復の兆しは見せていますが、外食産業はまだまだ厳しい状況下にあります。ただ、コロナ禍後を見据えれば、当社業務用部隊にとって形勢を逆転する数少ない機会であり、積極的に攻勢をかけていきます。まずは、自社ブランド製品の開発・販売です。足元では、から揚げ粉・天ぷら粉・パスタ分野合計で常温製品を7アイテム。IQF(バラ凍結)マカロニを中心に低温製品を6アイテム。時代のニーズに合った自社ブランド製品を上市し、市場の中に新たな当社シェアを開拓・獲得していきます。また、外食企業との取り組み強化・各種提携なども推進しています。

日清製粉プレミックス、海外の市場開拓に本腰を

最後は、プレミックス事業(日清製粉プレミックス)。掲げた販売目標に向け、製品開発力に裏打ちされた明確な販売戦術を以って前進しています。海外では、好調な中国・タイに続き、コロナ禍に苦しむインドネシアの底上げを図っています。また、人口・経済の急伸に着目しているベトナムでは新工場の立ち上げと、中国に続きECビジネスも開始します。

健康とは何か、食品に問われる価値とは

経営戦略の2つ目は「価値の創造」。今後も「簡便」「本格」「健康」の3本柱を中心に邁進していきます。この内、「健康」に関する製品開発について少し述べておきます。われわれはこの4年間をかけて、いよいよ自社製造原料を用いた新製品を上市するに至りました(ブランド名:“カラダに、おいしいこと。”「ナチュブラン」)。この先の目指すところとしては、現在開発中の完全栄養食も選択肢の中の一つにあります。一方で、社名Welna(Wellness by nutrition from nature)は「自然の恵みで、世界の人々に健康をお届けする」ことを意味しており、自然の原料を使用した添加物の少ない、あるいはアレルゲンを除去した製品の開発・上市も待たれます。何れにしても「健康」に関するわれわれの目標は、薬などに頼らず、食事によって病気にならない健康体を作り上げ、少なくとも「未病」(発病には至らないものの、健康な状態から離れつつある状態)の段階で病気を防ぎ、そして健康寿命を延伸していくことです。

海外。成長が見込める市場を見極め、切り拓く

3つ目は「海外展開の深耕」、海外市場での更なる事業展開です。当社は現在、ベトナム、トルコ、中国、タイ、アメリカ、インドネシアの6カ国に拠点を有しています。進出当初は、海外で生産・加工したものを日本市場に供給するいわゆる「開発輸入型」のビジネスが中心でしたが、現在は、成長が見込まれる海外市場に製品を供給する「現地販売型」のビジネスも大きく成長させています。2018年には、成長するASEAN地域での新たな事業展開として、ベトナムのホーチミン近郊に新たな会社を設立し、業務用プレミックスでの現地市場の開拓に取り組んでいます。異なる食文化や食習慣を持つ海外市場での成功は一筋縄ではいきませんが、新興国の成長を取り込み、我々自身が大きく成長するためにも、社員の力を結集し、現地のニーズに合わせた商品を開発・製造・販売していくつもりです。

更に、マーケティング力・開発力を研ぎ澄ます

繰り返しになりますが、当社は「食の求道者」に進化することをビジョンに掲げています。その意味するところは、これまで通りの強い販売力を前提にしつつ、マーケティング力・開発力の増強を図っていくということです。特に営業・開発に大きな影響を与えるマーケティング部門においては、デジタル領域等の戦略立案を担う専門部署を新設し、その影響力の拡大・浸透を推進してきました。この部門にて、昨年までに複数の新聞社より表彰を受ける機会があり、当社が進化していく過程で非常に意義ある評価を得ることもできました。決して狙って取りにいったものではなく、努力のあとに付いてきたものであり、ベストな経緯と結果であったと言えます。これからも進取の気質を発揮し、食品業界でのマーケティング先行型の会社を目指していきます。

ロジスティクス改革、在庫管理の徹底を目指して

更にもう一つ述べておきたい事柄は、S&OP(Sales&Operations Planning)チームの設置です。物流・購買・マーケティング・営業・生産等様々な部署のメンバーより構成し、需給・製造・販売計画、そして在庫をコントロールした上でその適正化を図るものです。販売のチャンスロスを防ぎ、各種在庫に関わるコストを大幅に削減することを目指します。

自然環境保護に向けて、私たちが行っていることとこれから

また、SDGsへの取り組みとして、一つには環境に配慮した製品の開発をしています。具体的には、「日清 クッキング フラワー®」に代表されるプラスチックボトル容器のバイオマス化や薄肉化、パスタソース製品におけるFSC認証の紙容器の採用などです。その他、冷凍食品ではプラスチック製内袋の削減、原料においては植物性たんぱくの採用等を進めています。そして、工場では食品廃棄物の排出量削減・再資源化、太陽光発電等の再生可能エネルギー設備導入等によるCO2排出量削減にも取り組んでいます。

入社後の3年間はとても大切な時期、目標を定めて悔いなきスタートを切って欲しい

みなさんは、学生時代に何かを徹底的にやり尽くした経験はありますか。勉強でも趣味でも構いません、何かに熱中して習得してきたなら、それは働く上での強みになるでしょう。入社後は、自分なりの将来へのビジョンを持ち、与えられた課題の克服に集中して欲しいものです。今までに過ごしてきた年月と入社してからの概ね3年間で、今後の社会人としての心構えができ上がると私は思っています。上司や先輩の指示をただ待つのではなく、自らが日清製粉ウェルナで何ができるのかを考えて行動すれば、3年後にはみなさんが納得できる自分に変わっているはずです。当社は新しい部署も増えており、人数も限られていることから一人ひとりに任せられる仕事の幅も大きい点が特徴です。私も入社直後から「会社に貢献できることは何か」を考え続け、2年目には自ら提言することで物流コスト削減を実現させました。もちろん、仕事を通し成長していく過程では、軌道修正が必要な場面や不本意な状況に直面することもあるでしょうが、その全ての経験がその後のキャリアに結びつきます。みなさんには、今自分がいる場所をしっかりと見定めて目標の実現に向かって進んでほしいと思います。どういう生き方をしていくのか、目標を持って過ごす人とそうでない人とは、その後の結果が大きく異なるものになっていることをみなさんにお伝えしておきましょう。